WAGYU FEATURE

日本全国の和牛の種類と、
当店の「黒ぶだう牛

ひとくちに「和牛」と言っても、その品種や産地はさまざま。ここでは日本の和牛の基本を整理し、TEPPAN MAFIA 吉祥寺がメインで扱う、岩手県花巻産の希少な黒毛和牛「花巻黒ぶだう牛」をご紹介します。

WHAT IS WAGYU

そもそも「和牛」とは?

「和牛」とは、日本で長い年月をかけて品種改良されてきた牛のうち、黒毛和種・褐毛和種(あか牛)・日本短角種・無角和種の4品種と、その交雑種だけを指す呼び名です。よく混同される「国産牛」は“日本で一定期間育った牛”全般を指す言葉で、外来種やホルスタインなども含みます。つまり和牛は国産牛の中でもごく限られた、由緒ある区分ということになります。

和牛の魅力は、なんといっても脂の質にあります。とりわけ黒毛和種の脂は融点が低く、口の中でとろけるように広がるのが特徴。赤身に細かく脂が入り込んだ「霜降り(サシ)」と、噛むほどに広がる赤身のうまみのバランスが、世界的にも高く評価されています。近年は「WAGYU」として海外でも人気が高まり、輸出も伸びています。

牛肉の品質は、日本食肉格付協会が定める格付けで表され、歩留まり等級(A〜C)と肉質等級(5〜1)を組み合わせた「A5」「A4」といった表記で示されます。ただし、格付けはあくまで見た目や脂肪の入り方などの基準であり、実際のおいしさは血統・餌・肥育方法によって大きく変わります。だからこそ、同じ黒毛和種でも産地や育て方の違いから、全国に数多くの個性豊かな「銘柄牛(ブランド牛)」が生まれているのです。

4 BREEDS

和牛は4品種いる

日本で飼育される和牛は、大きく次の4品種に分けられます。私たちが普段「和牛」として口にするものの多くは、このうちの黒毛和種です。

黒毛和種(くろげわしゅ)

和牛の約9割以上

日本の和牛の大半を占める代表品種で、私たちが「和牛」と聞いて思い浮かべる霜降り肉のほとんどがこれにあたります。最大の特徴は、赤身にきめ細かく脂が入り込んだ美しいサシと、融点の低いオレイン酸を豊富に含む脂による、とろけるような口溶け。加熱すると立ちのぼる甘い香り(和牛香)も魅力です。松阪牛・神戸牛・近江牛・米沢牛といった全国の有名銘柄の多くが、この黒毛和種を土台にしています。当店の「花巻黒ぶだう牛」もこの品種です。

褐毛和種(あかげわしゅ/あか牛)

黒毛に次ぐ品種

熊本県と高知県の赤牛を基礎に改良された、体毛が褐色の品種で「あか牛」とも呼ばれます。黒毛和種ほど脂が多くない一方、赤身にうまみ成分(遊離アミノ酸など)がしっかり凝縮されており、霜降りと赤身のバランスの良さが持ち味。しつこさが少なく、たっぷり食べても重たくなりにくいため、赤身のうまみやヘルシー志向を求める層から近年ますます注目を集めています。

日本短角種(にほんたんかくしゅ)

希少

岩手・青森など北東北を中心に育てられてきた、赤身主体の品種です。夏は山に放牧し、冬は里で飼うという昔ながらの飼い方に適し、広い牧野でのびのびと育ちます。脂は控えめですが、その分、噛むほどに濃い赤身のうまみと肉らしい力強い味わいが広がります。近年の赤身ブームの中で、肉本来の味を楽しみたい人から支持を集めています。

無角和種(むかくわしゅ)

最も希少

山口県で、在来の和牛に英国原産のアバディーン・アンガス種をかけ合わせて生まれた、角を持たない品種です。飼育頭数が非常に少なく、和牛4品種の中でも圧倒的に希少で「幻の和牛」とも呼ばれます。脂は少なめながら、赤身のうまみが濃厚で、噛みしめるほどに味わいが深まる通好みの一頭。市場に出回ることはめったにありません。

WHY DELICIOUS

和牛がおいしい理由

和牛のおいしさは「脂の質」に集約されます。舌で感じる食感だけでなく、鼻に抜ける香りまで含めて、和牛は総合的に味わうものです。

とろける脂

和牛の脂はオレイン酸を多く含み、融点が低いのが特徴。口に入れた瞬間、体温でとろけていきます。これが“とろける食感”の正体です。

甘い香り「和牛香」

加熱すると脂から「ラクトン」という桃やココナッツを思わせる甘い香り成分が生まれます。和牛だけがもつ芳醇な香りです。

きめ細かな霜降り

赤身に細かく脂が入り込んだサシが、やわらかさとジューシーさを生みます。赤身と脂の一体感が和牛の魅力です。

TEPPAN MAFIAが鉄板でシンプルに焼き上げるのは、この脂の香りと食感を最大限に引き出すため。凝ったソースで覆わず、素材の力をまっすぐにお届けします。

GRADE

「A5」ってどういう意味?和牛の格付け

よく見かける「A5」「A4」という表記。これは日本食肉格付協会の基準で、“歩留(ぶどまり)等級”と“肉質等級”を組み合わせたものです。

歩留等級(A・B・C)

1頭からどれだけ肉が取れるかの割合。Aが最も歩留まりが良い等級です。

肉質等級(5〜1)

「サシ(脂肪交雑)」「肉の色沢」「締まり・きめ」「脂肪の色沢と質」の4項目で評価。最も低い項目の等級で決まり、5が最高です。

BMS(サシの基準)

脂肪交雑の度合いをNo.1〜12の12段階で判定。数字が大きいほど霜降りが強くなります。

ひとつ覚えておきたいのは、A5は“等級”であって“おいしさの順位”ではないということ。赤身の旨みを楽しみたい方には、あえて等級にこだわらない選び方もあります。私たちは数字よりも、血統・餌・火入れが生む「本当のおいしさ」を大切にしています。

CUTS

部位で変わる、和牛の楽しみ方

同じ和牛でも、部位によって脂の量も食感もさまざま。鉄板焼きで映える代表的な部位をご紹介します。

サーロイン霜降りと旨みのバランス。ステーキの王道
ヒレ(シャトーブリアン)きめ細かくやわらか。脂控えめの上品な赤身
リブロース豊かなサシととろける食感
赤身(モモ)噛むほどに広がる肉本来の旨み
ザブトン(肩ロース)希少部位。濃厚な霜降り
イチボ・ランプ赤身と霜降りのいいとこ取り
BRANDS

全国のおもな銘柄牛(ブランド牛)

「銘柄牛(ブランド牛)」とは、品種・産地・血統・肥育期間・格付けなどについて、各産地が独自に定めた基準を満たした牛のこと。その多くは黒毛和種で、同じ品種でも、水や気候、飼料、生産者のこだわりによって、驚くほど個性豊かな味わいに育ちます。全国には数百ともいわれるブランド牛があり、それぞれの土地の風土を映した“ご当地の味”として親しまれています。ここでは代表的なものをご紹介します(※日本三大和牛は松阪牛・神戸牛・近江牛とされることが多く、近江牛の代わりに米沢牛を挙げる説もあります)。

松阪牛三重県
神戸牛(神戸ビーフ)兵庫県
近江牛滋賀県
米沢牛山形県
飛騨牛岐阜県
仙台牛宮城県
前沢牛岩手県
宮崎牛宮崎県
佐賀牛佐賀県
OUR SIGNATURE

当店がメインで扱う「花巻黒ぶだう牛」

TEPPAN MAFIA 吉祥寺が主役に据えるのは、岩手県花巻市で育てられる黒毛和牛「花巻黒ぶだう牛」。ワイン用ぶどうの搾りかすを飼料に育てられる、市場にはほとんど出回らない希少な和牛です。前述の4品種でいえば黒毛和種にあたり、そこに“ぶどう”という花巻ならではの物語が重なることで、この土地でしか生まれない一頭になっています。

臭みがなく、さらりとした脂と、豊かな風味。ぶどうが育んだ、やさしい味わいの黒毛和牛です。

ぶどう発酵飼料で育つ

花巻が世界に誇るワイナリー「エーデルワイン」。そのワイン造りの過程で生まれるぶどうの搾りかす(ぶどう発酵飼料)を、1日300g以上・3か月以上にわたって与えて育てます。ぶどうの搾りかすは香りが良く、牛の食いつきが良いうえ、リラックス効果も見られるといいます。ぶどうに含まれるポリフェノールが、さらりとした上質な脂とすっきりした後味を育むと考えられています。

市内わずかな生産者が育てる希少牛

花巻黒ぶだう牛を手がけるのは、花巻市内のごく限られた黒毛和種の肥育農家だけ。生産量が少なく、常時は量販店に出回らず、賛助会員となっているレストランなどへの流通が中心です。街の肉売り場では出会いにくい、まさに“知る人ぞ知る”和牛。吉祥寺でこの一頭を味わえること自体が、貴重な体験といえます。

宮沢賢治ゆかりの名前

「黒ぶだう」という名は、花巻が生んだ詩人・童話作家、宮沢賢治の寓話「黒ぶだう」に由来します。物語の中で仔牛がぶどうを食べる描写があることにちなみ、ぶどうで育つこの牛にぴったりの名として付けられました。“ぶだう”という古い表記も、賢治の作品世界をそのまま受け継いだもの。味わいだけでなく、土地の文化まで感じられる和牛です。

品種黒毛和種(和牛4品種のひとつ)
産地岩手県花巻市
飼料の特徴エーデルワインのぶどう搾りかす(ぶどう発酵飼料)を1日300g以上、3か月以上にわたって与えて肥育
肉質の特徴臭みが少なく、さらりとした脂と豊かな風味。やさしい味わい
希少性市内の限られた生産者のみ。量販店にはほとんど出回らない
名前の由来宮沢賢治の寓話「黒ぶだう」から
STORY

黒ぶだう牛と、花巻の物語

黒ぶだう牛が生まれた岩手県花巻市は、詩人・童話作家の宮沢賢治のふるさと。名前の由来となった賢治の寓話「黒ぶだう」には、仔牛がぶどうを口にする描写があり、ぶどうで育つこの牛にそのまま重なります。

花巻・大迫(おおはさま)地区は、国産ワインの草分けである「エーデルワイン」を擁する、ぶどうとワインの里。そのワイン造りで生まれるぶどうの搾りかすを飼料に活かすことで、地域の資源を無駄なく循環させています。ぶどうに含まれるポリフェノールが、さらりと澄んだ脂とすっきりした後味を育むと考えられています。

市場にほとんど出回らず、賛助会員のレストランなどにしか流通しない希少な一頭。土地の文化と物語をまとった黒ぶだう牛を、吉祥寺の鉄板でぜひ味わってみてください。

PAIRING

和牛とワインのペアリング

和×イタリアンのTEPPAN MAFIAだからこそ、和牛とワインの相性にもこだわります。基本の考え方をご紹介します。

霜降りの和牛 × 果実味のある赤

脂の甘みに、ミディアム〜フルボディの赤ワインを。タンニンが脂をすっきりと流してくれます。

赤身 × エレガントな赤

赤身の旨みには、渋みが穏やかで香り高い赤を。素材の味を引き立てます。

本わさびの一皿 × 泡・白

わさびや和の薬味を効かせた料理には、スパークリングや香り豊かな白もおすすめです。

AT TEPPAN MAFIA

吉祥寺で、黒ぶだう牛を鉄板で味わう

なかなか出会えない希少な黒毛和牛「花巻黒ぶだう牛」を、目の前の鉄板で焼き上げてご提供。イタリアンのソースとワインを合わせ、記念日やデートの特別な一皿としてお楽しみいただけます。

FAQ

和牛・黒ぶだう牛のよくある質問

黒ぶだう牛は和牛ですか?

はい。花巻黒ぶだう牛は、和牛4品種のひとつ「黒毛和種」です。ぶどうの搾りかすを飼料に育てられる点が最大の特徴です。

「和牛」と「国産牛」は何が違いますか?

「和牛」は黒毛和種など日本の4品種とその交雑種に限られる呼び名で、「国産牛」は日本で育った牛全般を指します。和牛は国産牛の中でも限定された区分です。

黒ぶだう牛は吉祥寺のどこで食べられますか?

TEPPAN MAFIA 吉祥寺(JR吉祥寺駅 アトレ東館口より徒歩3分)で、鉄板焼きのステーキやコースとしてご提供しています。ご予約時にお問い合わせください。

「A5」=一番おいしい、ということですか?

いいえ。A5は歩留・肉質の“等級”を示す表記で、おいしさの順位ではありません。赤身の旨みなど、好みで選ぶのがおすすめです。当店は等級の数字よりも、血統・餌・火入れが生む味わいを大切にしています。

「和牛香」とは何ですか?

加熱した和牛の脂から生まれる、桃やココナッツを思わせる甘い香りのことです。ラクトンという成分によるもので、和牛特有のおいしさの源とされています。